メッセージ(加藤会長)
皆様、こんにちは。
日本スペシャルティコーヒー協会の会長に就任することとなり、大変光栄に存じます。
このような重要な役割を担うことになり、身の引き締まる思いです。
まずは日頃より協会の活動を支えてくださっている皆様に心より感謝申し上げます。
近年、我々の業界を取り巻く環境は大きな変動を見せています。特に円安の進行とコーヒー原料の高騰が続いていることは、我々スペシャルティコーヒー業界にとって大きな試練となっています。円安によって輸入コストが増大し、さらに世界的なコーヒー原料の価格高騰が重なることで、我々の事業運営は一層厳しい状況に直面しています。このような状況下で持続可能なビジネスモデルを構築し、品質を維持しながら消費者に優れたコーヒー体験を提供し続けることは容易ではありません。
しかしながら、こうした困難な環境の中でも、私たちは多くの希望を見出しています。まず、生産者が高品質な原料をこれまで以上に産出するようになったことは、非常に喜ばしいことです。グローバルなサプライチェーンの改善や、産地との直接的な取引が増えることにより、優れた品質のコーヒー豆を安定的に確保できるようになりました。
これにより、私たちの提供するコーヒーの品質をさらに向上させることが可能となります。生産者と密接な関係を築き、共に成長していくことで、サステイナブルな未来を創造していきたいと考えております。
さらに、私自身も審査員として関わってきたワールドバリスタチャンピオンシップにおいて、世界のバリスタたちが示してきた
技術と情熱には、常に感銘を受けています。彼らの技能は年々向上し、多様なドリンクの創造においても目を見張るものがあります。日本のバリスタたちも、世界の舞台でその卓越した技術を発揮し、多くの賞賛を受けています。これからも彼らの成長と挑戦を全力で支援していきたいと考えております。
我々協会の使命は、スペシャルティコーヒーの素晴らしさを広め、その価値を正しく伝えていくことです。消費者の皆様に、ただの飲み物としてではなく、コーヒーの持つ豊かな物語や背景を知っていただき、そこから生まれる風味特性というその魅力をより深く味わっていただくことが重要です。そのために教育活動やイベントの開催を通じてコーヒー文化の普及に努めてまいります。
今後のビジョンとして、スペシャルティコーヒー業界の発展には、イノベーションと伝統の両立が不可欠だと考えています。新しい技術やアプローチを積極的に取り入れつつ、伝統的な手法や理念を大切にすることで、コーヒーの未来を切り拓いていく所存です。また、環境への配慮と社会的責任を果たすために、持続可能な取り組みを一層推進してまいります。
最後に、皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。私たち一人ひとりの努力が集まることで、スペシャルティコーヒー業界はさらに輝かしい未来を迎えることができると信じております。共に新たな挑戦に立ち向かい、素晴らしいコーヒー文化を築き上げていきましょう。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
日本スペシャルティコーヒー協会
会長 加藤 慶人